知覚過敏の原因、予防、治療法について|つむぐ歯科・こども歯科|北野田駅の一般歯科・小児歯科

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歯科コラム

知覚過敏の原因、予防、治療法について|つむぐ歯科・こども歯科|北野田駅の一般歯科・小児歯科

知覚過敏の原因、予防、治療法について

・冷たい刺激(アイス、冷たい飲み物など)で歯がしみる。
・歯に風があたった際にピリッと痛む。
・歯磨きの時、ブラシの毛先が歯に触れると電気が走ったように感じる。

これらは知覚過敏の可能性があります。

知覚過敏の原因によっては放置していると
取り返しがつかなくなってしまうケースも存在します。
(知覚過敏以外が原因になっている可能性もあります。歯科医師による診察が大切です)

この投稿では
現役の歯科医師が知覚過敏についてや考えられる原因、行う処置や予防法について
しっかりと解説をしたいと思います。

是非最後まで読んでください。

知覚過敏とは

冷たい水、冷たい風、歯磨きや甘いものなどの刺激によって生じる
一過性の痛みの事

(一過性の痛み=持続せず、刺激がなくなってしばらくで消失する痛みのこと)

その際
虫歯や歯の神経の炎症を
認めないものの事を言います。

通常であれば問題がないはずの刺激に対して、歯の神経が過剰に反応してしまうのです。

筆者である僕も歯科医師として普段診察をしている中で、知覚過敏の可能性を疑う訴えをよく聞きます。

知覚過敏の原因は大きく3つ

歯冠(歯の頭の部分)の一番外側であるエナメル質は刺激を受けても
通常痛みを感じません。

原因として考えられる事には大きく以下の3つがあります!

①歯ぐきが下がってしまい隠れていた部分が露出したから

残念ですが歯ぐきは
加齢とともに少しずつ下がってしまいます。

歯ぐきが下がって露出した歯の根の部分は
刺激を神経に伝えやすいため、知覚過敏症状が出るというわけです。
歯ぐきが下がってしまうと見た目の変化はもちろんですが
知覚過敏症状以外にも露出してしまった部分が虫歯になりやすいというマイナスな点があります。

歯ぐきが下がる要因は色々とあります。
ここでいくつか代表的なものを紹介しておきます↓↓↓

【歯ぎしりや食いしばり】

ブラキシズムと言われる強い力、繰り返しの力が原因となって
歯ぐきの退縮を引き起こす事があります。

【歯周病】

歯周病菌が悪さをすると歯周組織である骨が溶けて、歯ぐきがつられて下がってしまいます。

歯ぐきが腫れていたりするとわかりにくいこともありますが、しっかり清掃して歯ぐきが引き締まると
元の位置より下がってしまっている事が多いです。

【加齢】

どうしても加齢変化で歯ぐきはさがってしまいます。
ある程度は仕方がないです。あまり気にしすぎない様に…

【歯磨きの圧】

歯磨きの圧が強すぎるとそれは歯ぐきが下がる原因になります。
ブラシの持ち方や力の掛け方には注意をしましょう!!
歯科医院で歯科衛生士から持ち方、当て方などの指導を受けていただくのが一番です。

②エナメル質(歯の1番外側の層)が薄くなったから

歯の1番外層であるエナメル質が薄くなっても知覚過敏症状が出る事があります。
こちらも先ほどの歯ぐきが下がる原因と重なる事も多いのですが

・磨く力が強すぎたり、選んだ歯ブラシの毛が硬すぎるなどの不適切な歯磨きでエナメル質がすり減ってしまう
・酸蝕症(お酢、ワインなどの酸性食品の習慣的な摂取が原因)でエナメル質が溶かされてしまう
・歯ぎしり食いしばりの力が一部分に集中して歯がくびれてしまう

などが要因として考えられます。

エナメル質が薄くなると、歯の一番外側と歯の中にある神経との距離が近くなります。
結果として、刺激が神経に伝わりやすくなり知覚過敏症状が出てしまいます。

③ ホワイトニングをしたから(一時的な症状)

歯を白くするためにホワイトニングした後に冷たいもので歯がしみてしまう!
と言うケースもあります。

ホワイトニング(歯の漂白)によって一時的に軽度の知覚過敏が起きることがあるのです。
ホワイトニングで使う薬剤による影響であると考えられますが
むし歯、歯ぎしり食いしばりによる歯のくびれや小さな亀裂など様々な要因が絡んでいると考えられており
詳細なメカニズムはわかっていません。

ですが安心してください!通常施術後に起こる症状は一時的なもので
数日間経過を見ればおさまります。
(症状がある場合はしっかりと歯科医師に診察をしてもらってくださいね)
人によってホワイトニングでしみる症状が出る人もいれば、そうでない人もいます。

知覚過敏の治療について

歯磨き粉(シュミテクト)使用

知覚過敏用の歯磨き粉が存在します。
一番有名なのはシュミテクトでしょう。

硝酸カリウムという成分が配合されており、刺激を抑える効果があると言われています。
効果には個人差もありますが
歯を削ったりする必要がなく、体への負担もほとんどない方法です。
虫歯予防のフッ素が配合されたものもあるので
僕は患者さんにまず最初の対応としてすすめています。

すぐに効果を実感しなくても、何日か使用していると効果が出てくるという方もいらっしゃいます。

歯科医院によっては無料で試供品を渡してくれるところもあります。相談してみてください。

知覚過敏抑制剤(コーティング材)塗布

これもシュミテクトと同じく、体への負担がほとんどない方法です。

歯の表面に薄いコーティング材を塗って
冷たい刺激に神経が反応しない様に遮断する目的で使用します。
コーティング材が歯の表面を刺激からブロックして、痛みを抑えるという原理です。

コーティング材にも色々な商品があり
塗った後に光を照射するものもあれば、塗るだけで良いものなど
歯科医院によっても揃えている知覚過敏の抑制材は異なります。

歯科用レーザー照射

歯科領域ではレーザーを治療に用いる事があり、知覚過敏にも使用する場合があります。

レーザーを使用する事で、薄くなってしまった部分の表面を塞いで刺激を遮断する効果があります。

歯髄炎(しずいえん)といって炎症があると逆効果なので、しっかりと診察をした上で使用をしないといけません。

レジン(白い詰め物)充填

レジンという白い詰め物を知覚過敏の原因になっているすり減った部分に詰める治療法があります。

虫歯治療の際に使用する樹脂の詰め物と同じものを使用します。治療の際は麻酔の使用が必要な事があります。

すり減った部分が軽度であれば前述のコーティングや歯磨き粉で対応し、すり減りが大きい場合はこのレジンによる治療をする事が多いです。

噛み合わせ調整、マウスピース装着

先ほどの原因で述べた通り
知覚過敏は噛み合わせや食いしばりなどが原因になっている事があります。

その場合は噛み合わせのバランスを調整したり、歯への負担軽減のためのマウスピース作製を行います。

マウスピースは就寝時に上の歯に装着してもらいます。

神経をとる(最終手段)

これは本当に最終手段です!
どうしても耐えられない、日常生活がしんどい
そんな場合に神経をとる事があります。
ちなみに僕は臨床経験約10年でこの方法をした事はないです……

具体的には部分麻酔をして、歯の中の歯髄(しずい)という神経を取り除き
中を清掃した後、お薬を詰めて
土台→被せ物という流れです。

神経をとった歯はどうしても寿命が短くなる傾向があります。

ここまで述べた他の方法を試して、もうどうしようもないなら最後の手段としてやる!という考えであるべきです。

知覚過敏の予防法

知覚過敏の予防には、コレ!という明確なものがあるわけではないです。

知覚過敏の原因は個人差があり、1つの原因だけでなく複数の原因が絡み合っている場合も多いからです。

できる事としては以下のようなものがあります。

正しい歯磨きをする

歯磨きの圧が強くなりすぎないようにする事が大切です。歯ブラシはやわらかめのものを選び、軽く磨くようにしましょう。

他には

歯磨きの仕方が悪い場合、歯茎が下がってしまう可能性も…….

正しい歯ブラシの持ち方や、歯にあてる角度、動かし方などの指導をきっちりと歯科医院で受けてください。

酸性の飲料や食品を控える

先ほどの知覚過敏の原因についての項目で、エナメル質が薄くなると知覚過敏が生じる可能性があるとお話ししました。

酸性度の高い飲食物(レモン、ワイン、コーラ、お酢など)は歯の一番外側であるエナメル質を溶かしてしまう可能性があります。

過度な摂取や習慣的な摂取はお控えください。

歯科医師による定期的な診察を受ける

定期的に歯や歯ぐきの状態を診察し、リスクを把握しておく必要があります。

トラブルがあっても早期に発見して対応する事ができます。

皆さんぜひ定期的に歯科医院へ通ってください。

以上
知覚過敏に関してまとめました。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

「執筆、監修者」

歯科医師:平岩瑛郁

出身大学:大阪歯科大学