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歯科コラム

菌をやつける抗生物質の裏話、薬物耐性菌について解説|つむぐ歯科・こども歯科|北野田駅の一般歯科・小児歯科

菌をやつける抗生物質の裏話、薬物耐性菌について解説

抗生物質を人生で1度も服用した事がないと言う人は稀ではないでしょうか?
多くの人が服用した事がある「抗生物質」
正しく使用しないといけません。

まず抗生物質とは

細菌による感染症を治療、予防するために使用される薬の一種です。
細菌の増殖を抑えたり阻害する事で作用する薬です。
一般的に細菌による疾患に効果があります。
風邪やインフルエンザなどのウイルス性疾患には効かない点が特徴です。
医師が抗生物質を処方する際には、適切な種類や用量を選び、必要以上の使用を避けるよう細心の注意が払われています。

抗生物質だけに限らず、薬は正しく使用をしないとかえって人にとって有害になってしまいます。
薬に頼らない治療というのも重要です!
歯科の分野においては
虫歯菌や歯周病菌を投薬以外の方法でやつける事が大切です。(生活習慣改善や歯磨き、クリーニングなどがそれにあたります)

薬物耐性菌とは

抗生物質の過剰使用や誤用により、近年問題となっているのが「薬物耐性菌」の存在です。
抗生物質を長く使い続ける事などが原因で、細菌の薬に対する抵抗力が高くなり従来の薬が効かなってしまうものです。
抗生物質耐性はどの国、どの年齢、そして誰にでも起こりうるものです。
薬を正しく使用をする必要があります。
実際の耐性菌の例として挙げられるのが、院内感染の原因菌として知られるメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)です。
抗生物質によって抑え込まれたブドウ球菌だったが、それまでの抗生物質が効かない耐性菌が出現したのです。

このように人類と目に見えない小さな細菌との終わりの見えない闘いが続いています。

薬物耐性菌によって

・医療費の増加
・入院期間の長期化
・死亡率の上昇
につながってしまいます。

個人でできる事

抗生物質は医療従事者によって処方された場合のみ使用してください!

医療従事者が必要ないと言っている場合は決して抗生物質を要求しないのが望ましいです。
抗生物質を使用するときは医療従事者のアドバイスに従ってほしいです。
過去の使い残しの抗生物質を家族や友人と共有したり、自分自身で勝手に使用したりもしない方が良いです。

私たち医療従事者がするべき事

責任をもって術者の手や指を綺麗にして器具や医療の現場の環境を清潔に保つ事!
まず菌の付着や汚染を全力で防ぐべきです。



他にはガイドラインに従って必要な時だけ抗生物質を
処方・調剤する。


抗生物質の正しい服用方法、抗生物質耐性、
誤用の危険性について患者さんにきっちりと説明する。
感染症の予防について患者に理解を求める。

これらが考えられます。

まとめ

薬物耐性菌の増加を防ぐためには、私たち一人ひとりが抗生物質の正しい使用を心がけることが重要です。
具体的には医師の指示通りに薬を服用すること、症状が改善したからといって自己判断で服用を中止しないこと、そして必要以上に抗生物質を求めない事などが挙げられます。

また、医療機関側では感染予防のための衛生管理を徹底し、耐性菌の拡散を抑える取り組みが大切です。

薬物耐性菌の脅威は個人だけでなく社会全体に影響を及ぼします。

ぜひこの機会に抗生物質について正しい知識を身につけていただければと思います。

最後までご覧いただきありがとうございました。

「執筆、監修者」
歯科医師:平岩瑛郁
出身大学:大阪歯科大学