口臭予防には舌の汚れのお掃除が大切!歯科医が原因やケア方法を解説
マスクをしていると自分の口臭が気になる…
歯磨きの時に嫌なニオイがする…
などと感じている方はいらっしゃいませんか?
歯科医師が口臭予防の中でも特に大切な舌の汚れに関してまとめました。
口臭の原因
口臭を引き起こす原因は大きく3つに分ける事が出来ます。
・歯科的な問題(口の中)
・全身的な問題(胃、肺、腸、糖尿病など)
・精神的な問題
その中でも歯科的な問題は口臭の8割を占めるとも言われています。
歯科的な問題をもう少し細かく見ると虫歯、歯周病そして今回のお話であるベロの汚れが考えられます。
舌に付着する舌苔がにおいの元
舌苔(ぜったい)という言葉を聞いた事はありますか?
舌苔とは舌の表面に付着した白い苔状の汚れを言います。
実は口臭の原因はこの舌苔によるものが多いと言われています!
虫歯、歯周病や不完全な歯磨きが原因となっている場合もあります。その場合は虫歯治療、歯周病治療や歯磨き指導を受けていただく必要があります。
鏡で是非ベロをベーーーと出して
確認してみてください。
舌がピンク色であれば舌苔の付着は少ないです。
しかし白っぽくなっているのであれば舌苔の付着は多いでしょう。
この舌苔が口臭の原因になってきます。
口臭以外にも、、、、
・味覚がおかしくなる
舌には味蕾(みらい)という組織があり
食べ物などの味が感じることができます。
舌苔が蓄積してしまうと味を感じにくくなってしまいます。
・感染症のリスクがある
舌苔の付着は菌の増殖を意味します。
菌が増えると誤嚥性肺炎や感染症のリスクにもなりえます。
舌苔がつく原因3つを紹介
①口の中の乾燥
唾液には口の中の汚れを洗い流してくれる自浄作用や菌をやつけてくれる抗菌作用があります。
唾液が少ないと舌苔が付着しやすくなってしまいます。
唾液分泌量を増やすためには「よく噛んで食べること」「唾液腺(唾液が分泌されるポイント)マッサージ」「水分補給」
などが効果があります。
また口の乾燥を防ぐには口呼吸ではなく
鼻呼吸を意識してもらう事も大切です。
②清掃の不足
舌の清掃をしていないと知らない間に舌苔がたくさん付着してしまいます。
口の中全体の食べかすや細菌をしっかり取り除き清潔にする事が大切です!
舌だけではなく歯や歯ぐきの清掃、ケアもしっかりとしていただけると嬉しいです!
③お口周りの筋力低下
会話をしたり咀嚼をして
口や舌をしっかりと動かす事で舌苔の付着を少なくする事ができます。
高齢者の方は筋肉が衰えてしまい
あまり動かさなくなる事で舌苔がたくさんついてしまっているような場合がよくあります。
お口の体操をしたり、よく噛んで食べるなど
普段から心がけてもらえると嬉しいです。
舌のお掃除について
舌のお掃除には舌ブラシがおすすめです!
他にはスポンジなどで清掃する方法もあります。
・舌ブラシを湿らせてブラシの凸面で舌の中心を磨く
・舌ブラシを舌の側面や膨らんだ部分にも当てて磨きましょう
・清掃後は舌ブラシの汚れを流水下で取り除いて、清潔に保ちましょう
・あまり奥までブラシやスポンジをつっこむと嘔吐反射を引き起こして気持ち悪くなってしまうのでやりすぎには注意!
・強い力でゴジゴシせずにやさしくしましょう
舌のお掃除の注意事項
歯ブラシでは磨かないようにしましょう
舌は繊細です。
歯ブラシは歯を磨く用途で製造されたものなので、舌を傷つけたりしてしまう恐れが…
先ほど紹介した舌ブラシやスポンジがおすすめです。
舌ブラシはしっかりと乾燥させましょう
使用後は流水で舌ブラシやスポンジの汚れをしっかりと洗い流してください。舌ブラシが濡れたままだと雑菌が繁殖してしまいます。乾燥した状態で歯ブラシ立てに一緒に立てておいてもらえると良いです。
磨き過ぎには注意!
舌磨きは1日1回で十分です。
やりすぎると傷がつき、そこに細菌が繁殖してしまいます。結果として口臭の悪化、味覚障害などを引き起こす可能性もあります。
冒頭にお話しした様に口臭には色々な原因があります。
舌以外の原因の可能性もあるので
医師や歯科医師による診察を受けて原因を追求し、対策する必要があります。
この記事では
舌の汚れの原因やケアについてお話ししました。
「執筆、監修者」
歯科医師:平岩瑛郁
出身大学:大阪歯科大学