神経が無い歯は一般的な歯のホワイトニングでは白くなりません。

歯の内側から漂白をする必要があります。

施術名をウォーキングブリーチと言います。

歯科医師が実際の症例の写真も交えてご紹介します。ぜひ最後までご覧ください。

神経がない歯は徐々に色が変化してくる

歯の神経が作用しなくなると

「代謝の働きがなくなる事」や「血液,歯髄組織(歯の神経)の変性物質が象牙細管という管に侵入する事」などによって、どうしても変色が生じてきてしまいます。

そのため神経が死んでしまった歯や神経治療から期間が経った歯は、徐々に褐色〜黒色になってくる事があります。

ウォーキングブリーチに使う薬剤とは？

ウォーキングブリーチに使用する薬剤は

「高濃度の過酸化水素水」と「ペルオキソほう酸ナトリウム四水和物」を混和したものを使用します。

こちらは強い薬剤で、歯科医院でしかできない処置です。

しっかりとした神経治療が必要

ウォーキングブリーチの前には

神経治療が適切に行われており、根充材(神経治療の最後に入れるお薬)が緊密に入っていてしっかりと歯の中が封鎖されている必要があります。

そうでないと薬が根の先の方へ漏れてしまい、歯の吸収などトラブルが生じてしまう可能性があるのです。

歯に大きな割れ目や亀裂がある場合も注意が必要です。

ウォーキングブリーチの流れ

状況によって変わりますが、ウォーキングブリーチのおおまかな流れです。

 

1.歯やお口全体の状態を確認し、患者さんと相談の上で方針を決定する

2.必要に応じて神経治療を行う

3.歯の内部に漂白剤を入れる

4.１週間ほど期間をあけて色の変化を確認しながら、漂白剤を交換する。歯の色が充分白くなったら漂白剤を完全に取り除く

5.穴にレジンという樹脂を詰める。

漂白剤は初回と交換分で合計2〜3回入れるケースが多いです。

実際の症例写真

２回の薬剤塗布での変化です。

 

ウォーキングブリーチを受ける前に知っておくべきこと

・ウォーキングブリーチは、神経を抜いた歯の変色が対象です

・ステインなど外部の着色に対しては機械的な歯の表面の清掃が必要です

・歯の根にダメージがかかるリスクがあります(事前に根の治療が必要である)

・効果には個人差があるため、1回で効果が見られない場合もありますが、2〜3回の施術で改善することが多いです

・通常のホワイトニングにも共通するのだが、漂白後しばらくすると色が戻ってくる可能性があります

 

ウォーキングブリーチではなく削って被せた方が良い場合もありますし、歯に大きな亀裂がある場合は処置を避けるなど

注意すべき事が他にもあります。

しっかりと歯科医院で事前カウンセリングを受けてください。

まとめ｜ウォーキングブリーチで失活歯の白さを取り戻す

神経がない歯の変色は

通常のホワイトニングでは改善できませんが、歯科医院でのウォーキングブリーチ治療で白さを取り戻せるかもしれません。

まずは歯科医院で診断を受け、適切な治療法を提案してもらいましょう。

「執筆、監修者」

歯科医師:平岩瑛郁

出身大学:大阪歯科大学