痛くない麻酔のために歯医者が行う6つの事
- 2023年8月11日
- 虫歯
痛くない麻酔のために歯医者が行う6つの事
歯科医院では治療内容によって、部分麻酔を使用する場合があります。
注射を使用した麻酔が苦手という方がほとんどだと思います。
歯医者が嫌われる理由TOP3に
入るであろう歯科の麻酔
この歯科の麻酔の際の注射の痛みを
ゼロに近づけるために
僕たち歯科医師が気をつけている事をお話しします。
人により痛みの感覚は異なるので
全ての人が100%無痛になるとは言えませんが
可能な限り、痛くない麻酔にするために
出来る事があります。
痛くない麻酔をするポイント
本日は6つご紹介します。
これからお伝えする事に気をつけている場合は麻酔の痛みが少ない可能性が高いです
①表面の麻酔を塗る
注射をする前に表面の感覚を麻痺させておくためのものです。(表面麻酔による痛みは全く無いです)
ゼリータイプ、スプレータイプなど種類があります。
注射を打つ前に
まず粘膜をしっかりと乾燥させてから
注射する箇所に表面麻酔液をしみこませます。
時間を数分おきます。
そうする事で針の刺入時の痛みを緩和させています。
この表面麻酔は苦味があるものが多いです。当院では不快症状を少なくするためバナナ味の表面麻酔のご用意をしております。
②麻酔液をあたためる
麻酔の注入が痛いと感じる理由の1つとして
“麻酔液の温度と体温の温度差”
が関係していると言う考えがあります。
麻酔液を人肌に温めています。
③麻酔液を入れるのはゆっくり
麻酔液を素早く入れるのと
ゆっくり入れるのでは
ゆっくり入れる方が
痛みが少ない傾向があります。
なので出来るだけゆっくり入れています。
この際に電動の麻酔を使うこともあります。
そして歯科の麻酔液には可能性は低いですが、副作用が生じる可能性があります。痛みを少なくする目的以外にも、ゆっくり少量から打つ事で患者さんのお身体に異変がないかをじっくり観察する目的もあります。
④痛みを感じにくい場所にまず打つ
針の痛みを感じやすい部位と
痛みを感じにくい部位があります。
痛みを感じにくい部位の代表的なのは
歯の根の先に近い部分の粘膜です。
歯ぐきに麻酔をかけたい場合でもまずその部位に打ち、
ある程度効いてから麻酔範囲を広げていくほうが
患者さんの痛みが少ないです。
⑤炎症がある場合は落ち着けてから
炎症があると麻酔が効きにくかったり
麻酔の時の痛みが強い傾向があるので
その日の処置は避けて
抗生物質を処方して、後日炎症が引いてから
処置をするという事もあります。
⑥細い針を使用
針には太さがあります。
採血の際などはどうしても太い針が必要です。
痛みの観点から言うと針は細い方が良いです。
歯科の麻酔ではとても細い針を選択しています。
ちなみに針の太さはゲージ(G)という単位で表すのですが、数字が大きいほど針管が細くなっています。
採血で使用するゲージは18Gですが、歯科の部分麻酔では31Gや33Gのものを使用しています。
まとめ
まずは麻酔が本当に必要かどうかをしっかりと検討します。
虫歯であれば
・拡大鏡やマイクロスコープなどを使った拡大視野での視診
・レントゲン写真を撮影して調べるX線診
・Dファインダーと言われる道具を使用して虫歯かどうかを触って確かめる触診
・ダイアグノデントというレーザーを使った検査
など様々な診査をもとに
虫歯の広がりや有無を確認し
患者さんとしっかりとお話をした上で麻酔を使います。
使用する場合は患者さんのご負担を少なくするため、この記事で紹介した事に気をつけて麻酔を行います。
痛みの少ない麻酔に力を入れている歯科医院はホームページやSNSなどにこれらを載せているところも多いと思うのでcheckしてみてください。
「執筆、監修者」
歯科医師:平岩瑛郁
出身大学:大阪歯科大学